地方移住と同時に行う転職活動は、首都圏の転職活動と大きく異なります。
生活圏から遠い土地の情報を集めるのは、イメージがつかみづらく苦戦します。私は2020年4月に山梨県へIターン移住をしましたが、転職活動でとても苦労しました。
移住の情報発信は市町村が行っていることが多く、転職についての情報が少ないのが現状です。移住者インタビューは生活の変化を主題にしており、転職活動には参考にならないケースがほとんど。
この記事は地方移住版の転職活動をテーマに、
- 地方版の転職活動の流れを3ステップで解説
- 移住支援金制度を転職面で解説
- 地方転職ならではの注意点
これらをまとめて解説しています。
また、この記事は「一般的な会社員が移住後も会社員として働く人」向けです。起業や地域おこし協力隊については解説していません。
この記事を読むことで、地方移住と転職活動の注意点がわかり、在職中にスムーズに転職活動を進めることができます。
【地方移住版】転職活動の3ステップ
転職先決定は移住前がオススメ
転職先は移住前に決定しておくのがオススメです。メリットは3つあります。
- 移住後の収入確保できる
- 移住後に職場で情報収集できる
- 移住支援金制度の活用を検討して転職活動ができる
特に、移住支援金制度については申請期間が決められているため、移住前に制度を理解して転職活動することが重要です。
【ステップ0】移住支援金制度を理解
移住支援金制度とは?わかりやすくまとめた下図をご覧ください。
内閣府が地方公共団体の取り組みを支援している制度です。移住者は最大100万円を受け取ることができます。
東京圏についての詳細説明は内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生から引用している下記をご確認ください。
東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外(※1)へ移住し、起業や就業等を行う方に、都道府県・市町村が共同で交付金 (※2)を支給する事業です。
地方創生移住支援事業を実施している都道府県・市町村はこちら
※2 世帯の場合は100万円以内(18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は18歳未満の者一人につき最大30万円を加算)、単身の場合は60万円以内で都道府県が設定する額。
対象企業へ転職かテレワーク移住が移住支援金対象
就業についての要件をまとめると「対象の中小企業に転職する・東京圏からテレワーク移住する」ことです。
要件の詳細は以下です。1~3のどれかに該当する必要があります。
- 地域で中小企業等へ就業
- 移住支援金の対象として都道府県のマッチングサイトに掲載されている求人に就業すること。
- または、プロフェッショナル人材事業または先導的人材マッチング事業を利用して就業すること。
- テレワークによる業務継続
- 自己の意思によって移住し、移住先で移住前の業務を引き続き行うこと。
- 市町村ごとの独自要件
- 市町村が地域や地域の人々と関わりがある者(関係人口)として認める要件を満たすこと。(要件は市町村によって異なるため、詳細は移住希望先都道府県・市町村へ直接お問い合わせください)
移住支援金制度の対象外になる転職方法
以下は移住支援金制度の対象外になります。
- 大手企業に転職する
- 会社命令によるテレワークによる移住
- 転職エージェント経由で転職
- 求人サイト経由で転職
- ハローワーク経由で転職
対象外と言っても、地方は求人情報が少ないので大手転職エージェントなどを併用しながら情報収集することをオススメしています。
私自身は、最終的に移住支援金は早々に諦めて、dodaエージェントの紹介で東証一部企業への転職を決めました。
詳しくはステップ2で解説します。
【ステップ1】転職活動の事前準備
地方移住をするために転職活動をする場合、通常の転職活動+移住・地方ならではの対策が必要になります。
事前準備をしっかり行い、後悔しない転職活動をしましょう。
有給残数確認と退職日を仮決め
現職の有給残数を確認し、退職予定日を仮決めしましょう。
面接が始まると平日に選考企業に訪問する必要が出てきます。多くの方は有給を使ってスケジュール調整することになるでしょう。
また、有給残数に余裕があれば現職の最終出勤日から転職先入社まで、有給消化期間を作れるかもしれません。移住後は行政手続きのため平日に活動する必要があります。
退職日についても仮決めしておくことで転職活動の目標が明確になります。選考企業や転職エージェントなどに目標時期を伝えることで具体的な交渉が可能になります。
地方水準で転職条件を決める
転職条件は地方水準で決めましょう。
特に、給与は首都圏で働いている方にとって低水準に見えますが、そもそも給与相場が異なるため当然です。移住先の平均年収や家賃相場を参考に、移住目的を達成できる転職条件を決めましょう。
キャリアの棚卸し
自分にあった転職先を見つけるためにもキャリアの棚卸しをしましょう。自身のスキルや経験を整理し、強みや得意を見つけ出して、転職活動での企業選びや仕事選びに役立てることがキャリアの棚卸しをする目的です。
これは体感ですが、地方企業はスペシャリストよりもゼネラリスト、要するに広範囲をカバーできるスキルを持つ人材が活躍できると感じます。本当はスペシャリストを揃えたいけど人材がいない。だからこそ一人が広範囲をカバーできる人材は採用する企業側にメリットが多いというわけです。
自分にとっては小さく感じる経験でも、地方では希少な経験ということもあります。しっかりとキャリアの棚卸しをすることが、好条件での転職成功に欠かせません。
【ステップ2】情報収集〜応募|地方転職最大の敵は情報不足
地方転職がむずかしい理由の一つに求人情報が探しづらいということが挙げられます。
転職活動を成功させるためには求人情報を多く集めることが必須ですが、ほとんどの人が働きながら移住計画と転職活動を進めていくと思います。
効率的な情報収集手順
- 転職エージェントから希望条件に合う求人紹介を受ける
- 県のマッチングサイト掲載求人を確認(移住支援金対象)
- ハローワークの求人情報を確認
- 求人サイトの情報を確認
- 転職イベントを確認・参加
オススメの転職エージェントについては、下記の記事で詳しく解説しています。
※本ページはプロモーションが含まれています※ 山梨県内で転職をしたくても「魅力的な求人に出会えない」と悩んでしまう人は多いです。 やみくもに求人検索をしても、魅力的な求人に出会うことはできません。地方では求人の探し方を間違えると[…]
転職エージェントは必須|情報収集を一部自動化
完全無料で利用できる転職エージェントに登録して、自分の希望に合う求人を探してもらいましょう。
先ほど効率的な情報収集を紹介したとおり、私自身さまざまな方法で情報収集しましたが、内定獲得は転職エージェント紹介求人でした。転職エージェントは面接日程など、企業とのやり取りを代行してくれるので、転職活動の負担が軽減できるのもオススメする理由です。
県のマッチングサイトは転職エージェントと併用
マッチングサイトは掲載料無料にしている県が多いため、ハローワークの求人と似た傾向にあります。掲載求人の中に「転職したい」と思える企業があるかが焦点です。
もし希望に合う求人が見つからない場合は転職エージェントと併用して使うのがオススメです。
オススメの転職エージェントについては、下記の記事で詳しく解説しています。
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ハローワークは求人数が多い
地方求人はハローワークがまだまだ定番で、一番多くの求人情報を確認することができます。ハローワークのみに求人情報を出している企業もあり、他では得られない求人に出会う可能性もあります。
ハローワークインターネットサービスでは条件検索が可能です。
求人サイト・転職イベントは参考程度
時間が空いたときに閲覧・参加してみる程度で良い、というのが私の考えです。
移住者向けイベントは、企業と自治体が出展するケースがあり、イベント内で移住相談ができることもあります。ただし、移住先がすでに決まっている方にとってはメリットが少ないです。
注意点としては、イベント出展する企業の多くは地域で名がしれた企業が多いため、知らなかった企業との出会いは期待できないかもしれません。私が参加した山梨移住イベントでは、出展企業の約8割が富士急グループでした。
【ステップ3】選考〜内定|地方転職ならではの課題多
面接が始まれば現地訪問するスケジュール調整が必須になります。有給を使い仕事を休む方も多いはずです。
具体的な面接対策では、企業分析をするための情報が必要ですが情報不足で準備ができずに悩む人が多いです。
さらに、現地訪問には交通費がかかります。面接以外にも、新居探しなどで訪問回数がかさむと、それだけ交通費がかかってしまいます。
それぞれ事前に対策して、直前で焦ることがないようにしましょう。
面接対策・年収交渉
面接対策や入社意思を固める際に参考にしたい、第三者の企業情報を確保しましょう。
入社意思が高い企業に対しては、面接官以外の社員との面談機会を設定してもらうなど、よりリアルな情報を得ることが重要です。
ちなみに、openworkのような社員クチコミサイトは、地方転職では参考にならない可能性が高いです。そもそも社員クチコミサイトが浸透しておらず、投稿0件という企業が多いです。
また、年収交渉についても対策が必要です。
年収交渉において、東京企業の年収を引き合いに出されるよりも、同地域の他社を引き合いに出される方が内定条件を調整してくれる可能性が高いです。
年収交渉によって、転職活動の成否が別れるかもしれませんね。
オススメの転職エージェントについては、下記の記事で詳しく解説しています。
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スケジュール調整
書類選考を通過できれば面接が始まります。
書類選考通過の連絡を受領後、2週間〜3週間の間で面接日時を調整するケースが多いです。
そのため面接が始まる時期は、現職の繁忙期を避けることがベター。一次面接はオンライン実施を依頼するなど調整も必要です。
その上で、複数社の面接を固めることができれば、有給取得をする場合でも最小日数に抑えることが可能です。(有給残数に注意)
また、大前提ですが連絡漏れに注意しましょう。
スケジュール調整の注意点
- 連絡漏れに注意
- 現職の繁忙期を避ける
- 複数社の面接を固める
- 有給残数に注意して面接日調整
交通費の節約
面接を複数社まとめるスケジュール設定ができると、それだけ現地訪問する交通費節約になります。面接が固められないなら新居探し・周辺環境の確認など、現地でやるべきことをまとめるのも有効です。
移住先が車社会の場合、自由に行動するためにはレンタカーが必要になります。現地訪問の際は公共交通機関のダイヤを事前に調べ、状況によってレンタカー予約を忘れずに。
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