地方の求人がひどい!?UIターン移住を後悔しないための4つのポイントを移住経験者が解説

こんにちは。山梨移住暮らしの廣瀬です。(@takuyamanashi

2020年4月に山梨県に移住してきた元埼玉県民です。

地方に移住したいけど、いい仕事が見つかるか不安に感じる人も多いのではないでしょうか?

ぼくは移住する前、採用関連の仕事をしていました。

採用や転職についての知見と、移住経験を持っています。

 

そこで今回は、

地方の給与事情はどうなの?と思っている人向けに地方の仕事事情をお伝えします。

この記事を読めば、これらのことがわかります。

  • 地方の給与事情
  • 各県の賃金相場の計算方法
  • 求人票の月給欄の良し悪し判別方法
  • 移住体験をもとにした地方のリアル

ぼく自身は山梨県にIターン移住した後に、2回の転職を経験していますので体験談を交えて解説していきます。

山梨県に限らず、地方全般に言える内容が多くなっていますので、

UターンIターンを考えているすべての方の参考になる内容です。

地方の給与はどのぐらい?

早速結論から申し上げます。

お察しのとおり、地方の給与水準は低いです。

まぁ想像通りですよね。

問題はどの程度の差があるのかです。

そこで下図をご覧ください。

まずは関東から。

関東の平均給与額

次に北信越です。

北信越の平均給与

(出典:doda

東京都が438万円の平均給与に対して、

例えば山梨県なら379万円が平均給与です。

その差はなんと59万円

 

年間約60万円差は、月に直すと約5万円の差になります。

5万円、めちゃくちゃ大きい差ですね。

 

ちなみに、山梨県の平均給与が意外と高いじゃん!と思うかもしれませんが、日本有数の機械メーカーが含まれています。

そう考えると、少し実態と変わってきそうですが、その話はまた今度にします。

給与が低い一番の理由

さて、地方の給与水準が低いことはわかりました。

細かい数字は置いておいて、想像どおりだったと思います。

 

なぜ東京都を始めとする関東と、地方に給与差があるのは?

それはズバリ、地域別最低賃金の差です!(以下、最低賃金と記載)

最低賃金という言葉、聞いたことある人もいると思います。

最低賃金とは?

使用者が労働者に支払わなければならない、賃金の最低額を定めた制度です。

厚生労働省

社員だけでなくパート・アルバイトも含めて、雇った人に支払う給与の最低時給額を定めた制度です。

 

地方は、この最低賃金が関東と比較して低いために、給与水準自体が低くなってしまうんです。

下図の「令和3年度地域別最低賃金改定状況」ご覧ください。(一部抜粋)

令和3年度地域別最低賃金改定状況の一部抜粋

最低賃金時間額欄の、左が令和3年度の金額です。()内は令和2年度の金額になります。

(実はここ数年は、毎年30円ほど上昇し続けているんです)

ここでは例として、先ほどと同じように東京都と山梨県の違いを見ていきます。

東京都の最低賃金時間額:1,041円

山梨県の最低賃金時間額:866円

その差は175円

大きいですね!

 

ちなみにこんな疑問が出ると思いますので、答えもセットで置いておきます。

会社勤めの場合で本社が東京都で工場が山梨県にあるなど、事業所が別々の都道府県にある場合は?
最低賃金事業所がある地域ごとに適用されます。ごく小規模で事業所として認められない場合をのぞき、働く場所ごとに適用されると考えてます。全国展開チェーン店のアルバイトの時給が、都道府県によって違うのはそのためです。

 

実際は多くの企業では、勤務地ではなく職種によって給与などの待遇が変わる場合が多いです。

しかし、派遣社員やパートは本社が東京にあったとしても、給与体系は地域ごとに設定されている場合がほとんどですね!

移住+転職を検討している方は、移住先の最低賃金はチェックしておきましょう。

移住先の賃金相場を計算する

最低賃金の差がそのまま給与差に現れている。

それがわかったからと言って、我々にはどうすることもできません。

 

できることとして、移住の情報収集の段階からどの程度の給与水準になるのかを正しく判断できるように準備しましょう。

仕事をする理由はお金のためだけではないと言うのは重々承知ですが、お金がないと生活できないのもまた事実。

転職活動で絶対に役に立つ知識なので、この機会に使いこなしてください。

 

早速ですが、2つの計算方法をお伝えします。

  1. 移住先の月給相場を算出する方法→希望の年間休日数で月給イメージを計算します
  2. 求人票記載の月給を時給換算する方法→最低賃金と比較して良し悪しがわかります

順番に見ていきましょう。

※特定(産業別)最低賃金というものもありますが、地域別最低賃金よりも高く設定されています。最低水準を知るという意味で、今回は地域別最低賃金のみで計算しています。

①移住先の月給相場を算出する方法

あなたの希望の年間休日数で月給イメージを計算します。

計算方法は下記のようになります(例として8時間労働で計算)

365日−年間休日数=年間稼働日数
年間稼働日数/12ヶ月=月間稼働日数
月間稼働日数×8時間×最低賃金=月給の最低水準

具体的なイメージをするために、山梨県で年間休日120日でシミュレーションしてみます。

365-120=245
245/12=20.4
20.4×8×866=141,331
山梨県で年間休日120日の仕事に就いた場合、月給141,331円が最低水準になります。
この金額よりもどの程度高い給与設定がされているかで、求人を出している企業の姿勢や財務体質が垣間見えますね。

②求人票記載の月給を時給換算する方法

次に、最低賃金と比較して良し悪しを判断する方法をお伝えします。
実際に転職活動を進めるときには、企業が出している求人票などに記載された月給を確認しますよね。
この月給が、移住先の地域でどの程度の水準の給与なのか?知りたいじゃないですか。
月給を時給換算してあげれば、最低賃金と比較できますよね!
見ていきましょう!
(365−求人票記載の年間休日)/12=月間稼働日数
求人票記載の月給/月間稼働日数=日給
日給/指定労働時間=時給

具体的なイメージをするために、山梨県で年間休日120日で月給250,000円でシミュレーションしてみます。

(365−120)/12=20.4
250,000/20.4=12,254
12,254/8=1,531
シミュレーションした求人企業で働いた場合は、時給1,531円の給与水準ということがわかります。
山梨県の最低賃金時間額=866円ですから、シミュレーションした1,531円の求人は山梨県内では「給与水準が高い」と判断できそうです。
ちなみに、こんな疑問が出るかもしれません。
みなし残業(固定残業代)を含む求人の場合はどうなるの?
このあと詳しく解説します!

みなし残業代(固定残業代)がある求人の場合

ちなみに、あなたはみなし残業制度のことをどう思っていますか?

残業代が支払われないブラックな制度?

なんだかよくわからない制度?

このあたりの疑問も、同時に解消しちゃいましょう!

みなし残業代の図解

みなし残業って悪い制度に勘違いされやすいですが、実際にはそんなことありません。

仮に30時間分のみなし残業代が月給に含まれているとしても、その月に30時間絶対に残業しないといけないわけではありません。

むしろ残業が10時間だったとしても、30時間分が担保されているわけですから生産性の上げがいがあります。

会社としては、残業が一定時間発生しても給与計算が簡単になったり、従業員給与=コストが月によってバラバラになるのを避けれるわけです。

 

 

少し話が逸れました。では、時給を求める計算方法(設定は山梨県)をご紹介します。

  • 月給250,000円/8時間労働/みなし残業代30時間分を含む
  • 年間休日120日(月間稼働日数20.4日)
  • 時給=X
  • みなし残業=1.25X ※残業代は時給×1.25の割増賃金として計算されます
基本給=20.4×8×X=163.2X
みなし残業代=1.25×30時間分×X=37.5X
月給250,000=163.2X+37.5X
200.7X=250,000
X=1,245(端数切捨て)

先ほどの設定に当てはめて計算があっているか検証しましょう!

時給=1,245円で計算してみると、

163.2X=203,184
37.5X=46,687
合計=249,871
端数切捨てしたので多少ずれていますが、シミュレーションとしてはまぁ問題ないですね!
山梨県の最低賃金時間額=866円ですから、時給1,245円の求人は山梨県内では「給与水準が高い」と判断できそうです。
ぼくはこのように計算結果をもとに、Iターン転職時の企業選定を行いました。
基本給を理解すると、賞与○ヶ月分の計算も可能になるので、リアルな年収シミュレーションになりますよ。

山梨移住してわかった!地方のリアル

ここまで主に給与についてお伝えしてきましたが、次にぼく自身が山梨移住して知ることができた、地方のリアル-仕事編-をお伝えします。

ここでは山梨によった話になりますが、製造業と観光業が盛んな地域であれば参考にしていただける内容です。

 

まず第一に地方企業の求人の特徴は、売上をつくるポジションの募集がメインということです。

営業職や建築・建設関係、工場で製造を担うポジションやエンジニアが該当します。

逆に間接部門と言われる、事務・総務・人事などは体感ですが、かなり少ないです。

 

そのため、間接部門の求人にはライバルが多いと考えたほうが良いかもしれません。

ここ数年、地方移住の注目度が上がっていることもあり、地方の有力企業は大手求人サービスやスカウトサービスを活用して求職者にアプローチしています。

ぼくも実際に移住後の転職活動で、スカウトメールをいただいて面談をしました。

移住と転職を検討しているなら、遅くとも半年〜1年前から転職エージェントや転職サイトで情報収集することをオススメします。

 

もし仮に、大手企業の地方拠点や子会社の募集があったとしても、あまり応募が集まらなければ社内の異動や出向で人員調整で募集枠が埋まってしまうことも考えられます。

今はオンラインでの会社説明会や面接を実施している地方企業も増えています。

まずは気軽に面談しましょう、というスタンスの企業も増えているため、今すぐにでも転職サービスに申し込みましょう。

UIターン移住を後悔しないために

ここまでで、

  • 地方の給与が低いこと
  • 給与が低い理由
  • 移住先の賃金相場の計算方法
  • 移住してわかった地方のリアル

をお伝えしてきました。

地方は仕事がない!と言われることもありますが、移住者目線でいうと”いい条件の仕事がない”といったところでしょうか。

 

確かに地方求人は、都心や地方都市と比較すると労働条件は劣ります。

ただ、だからといってしあわせな移住ができないわけではありません。

徹底した情報収集をしていけば、後悔しないUIターン移住ができます。

 

まずは情報収集する準備を整えましょう。

そして、入念な準備をして、しあわせな移住生活に向かっていきましょう!

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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では、また。